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 今回はクリアーパーツ小物についての小技あれこれです。
○光学センサーパーツの自作
 最近ではキャラクター物プラモのアイカメラや光学センサーのパーツはキットの状態であらかじめクリアー成型されて
いることが多くなってきましたが、自作の方法を知っていると改造やスクラッチのときに便利かと思いますので、簡単な
ものをいくつかご紹介しましょう。一番お手軽なのが(これはクリアーパーツではありませんが)画像のようなキット
付属のいわゆる「ホイルシール」を利用する方法。説明書どおりに使うだけでなく、余ったシールからアートナイフなど
でセンサーの形に切り出して貼ってやるだけでも「ここは装甲とは違うモノでできているんだ」という材質感の違いを表
現することができます(使用例:画像の300円ガンダムアストレイの目とおでこセンサー)。

 さらに画像のように余白(余シルバー?)に透明なカッティングシートを貼ったものから切り出してやると、シール
ドガラスのある感じを持たせることができます(使用例:画像の1/144陸戦GMの後頭部センサー)。カッティン
グシートの色は、無色透明なシートに模型用ラッカー系のクリアーカラー各色を塗ってやればOK。クリアーカラーは筆
塗装が難しいですが、小さなセンサーなら塗装前にまず必要な大きさにカットしてしまってから、後で面相筆にてパーツ
に色を乗せるような感じで塗装する、という手も使えます。色味が濃すぎると輝きが損なわれることもありますので、場
合によってはクリアー(無色)を混ぜて色味を薄くしてやるとよいでしょう。(画像のクリアーオレンジはGSIクレ
オスのクリアーオレンジとクリアーをほぼ1:1で混ぜたものをエアブラシ塗装。)自動車用品店やDIYショップ、文
房具店あたりを探すと色付き透明のカッティングシートを売っていたりしますので、それを使うと製作が楽です。

 同様の方法として画像があります。画像は薄いシートの上に金属光沢テープを貼り、さらにカッティングシー
トを貼ったもの。ホイルシールよりもこちらのテープのほうが鏡面に近いため、光が当たったときにより強く輝く感じが
得られます。画像は薄い透明塩ビ板(不要になったブリスターパックなどの廃物利用でもよい)から切り出してクリア
ーカラー塗装した自作シールドガラスパーツの裏面に金属光沢テープを貼ったもの。(もちろんこの後、アートナイフ等
で余分なテープ部分を切り取ってから使います。)シールドガラスにある程度の厚みや高い透明感が欲しいときはこちら
の方法がよいでしょう。画像は私が使用している金属光沢テープでセメダイン社の「ラピー」。文房具店で入手可能。

 製作のコツとしては、カッティングシートにしても金属光沢テープにしても、糊面にホコリや指紋を付けないようにす
ること。と言っても実際にはそんなことはムズカシイので、シートもテープも大きめに切って「さわって汚してしまって
もいいところ」をあらかじめ自分で決めておき、そこを作業時の「持ち手」部分として貼り付けを行なうとよいでしょう。
空気が入らないように端のほうから貼っていきます。それでもホコリを閉じこんでしまったり、うまく貼れなかったりし
た部分がどうしても出てきますから、きれいに貼れた部分からパーツを切り出してやるようにします。テープの糊面がは
じめからきれいでない場合もあるのでそんなところもパーツ切り出しからは避けます。(画像ではテープの糊面の状態
が良いところを選んでパーツを貼っているのですが、わかりますでしょうか?)

 また、柔らかいカッティングシートを使う画像の方法はテープやシートの貼り付けが全て終了してからセンサー
パーツの大きさに切り出せばよいですが、画像の方法のときはクリアー部分が塩ビ板で硬いため、あらかじめ必要な大
きさに切ったクリアーシールドパーツを作ってから金属光沢テープを貼ったほうが楽できれいに製作できます。



○市販レンズパーツの生かし方
 市販のディテールアップパーツにクリアー成型のレンズ状のものがあります(画像)。キャラクター物ではいわゆる
「モノアイ」によく使いますが、コイツを「反射するようにして、点灯しているように見せたい」と思った人、いるので
はないでしょうか?裏面に銀色を塗っても効果はいまひとつ。そこで「鏡と同じ原理で鏡面にすればよい。ならば金属光
沢テープを貼れば…」と考えるわけですが、実際に貼ってみるとうまくいかない。なぜかというと裏面の平らである(は
ずの)部分にヒケが生じていることが多いため、テープを貼ってもピッタリ密着できずに隙間があいてしまうからです。
射出成型における「ヒケ」とはプラスチックなどの材料が冷えて固まるときに体積が収縮して起こる肉やせで、肉厚の厚
いところで起こります。画像は左が表、右が裏なのですが、レンズ状のパーツの場合は裏面中央で生じてしまっている
ことがわかります。つまり、ヒケがなくなるまで削って平らにしてやればうまくテープを貼ることができるはず。

 前回の星野塾#18で解説したクリアーパーツのヤスリがけとコンパウンド磨きを応用してみます。平面を削りだすの
で当て物は必須です。ステンレス定規や平面のある小さな木片でもよいのですが、今回の例では最初の#400番耐水ペ
ーパーによる荒削りのときのみ画像のように5ミリのアルミ板(硬くてたわまない平面なら何でもよい)の上にペーパ
ーを敷いて、その上でゴリゴリと削ってみました。面がななめにならないように、平面であることを保つように注意しま
す。途中経過が画像。中央にクリアーな部分が残っているので、まだヒケがあることがわかりますね。この後、ヒケが
なくなるまで削ってから、今度は当て物をステンレス定規に代えて#600番〜#2000番までペーパーがけを行い、
模型用コンパウンドでしっかり磨いて傷を取り、ツヤを復活させます。このような小さなパーツを磨くときは磨き布を使
うだけでなく綿棒にコンパウンドを付けて磨いてもよいでしょう。

 コンパウンドで磨き終わったらパーツの汚れやホコリを取り除き、光学センサーパーツの自作、画像の時と同じよう
に裏面に金属光沢テープを貼ります。はみ出た金属光沢テープは画像のようにアートナイフやデザインナイフの刃をレ
ンズパーツの縁に添わせるようにして
切り取ります。こうしてできあがった
のが画像の右側のもの。光をよく反
射する、輝度の高いレンズパーツを作
ることができます。(ちなみに左側は
パーツ加工をせずにそのまま裏面に金
属光沢テープを貼ったもの。凹みがあ
るので中央に大きな気泡ができていま
すね。)

 なお、この作業の注意点としては、「必要以上に裏面を削り過ぎない」ことが挙げられます。削り過ぎるとレンズの形
が変わってしまうことがあるからですが、そこまで削り込まなければならないほどひどいヒケの成型品はあまりないと思
います。今回の作業では削り込みは厚さ方向の実測値で0.2ミリ程でした。薄いレンズは削るときに要注意なのですが
薄いパーツはヒケも少ないので、削らなくてもきれいにテープを貼れたりもします。



○ツヤのあるクリアーパーツとスケール感
 画像ですが、左側が何も手を加えていない成型品で、右側がコンパウンド
磨きだけを行なった成型品です。映りこみを見ると、コンパウンド磨きのみでも
ずいぶんクリアーパーツのツヤと透明度を増すことができるのがわかりますね。
クリアーパーツの増えてきた最近のキットでは、カメラのシールドやセンサーの
パーツをコンパウンドで磨いてやるだけでも非常によいアクセントになりますし
特に置物としての観点から模型を見た場合は、クリアーパーツがきれいな完成品
はカッコいい、というのはご理解いただけると思います。ただし、ひとつ頭に入
れておいていただきたいのは、「クリアーパーツがあまりにもピカピカしている
のは、スケール感という観点からするとあまり良くないのでは?」とも考えられ
ることです。詳しくは星野塾#13#14で解説しましたが、1/100や


1/144などの小さなスケールでは、目の前にある完成品はかなり距離の離れているところにある「本物」と同じよう
な見え方をする「はず」なので、小さなセンサーがテカテカ光っているのは不自然であり、かえってスケール感を損ねて
しまうのではないか、と。

 これについてはそのモデラーさんの感性や作風、模型に対する考え方にも関わってくることですから、どちらがいいの
かは一概にはいえません。「光り物効果によるカッコ良さ」を取るのも、「スケール的実在感」を重視するのもそのモデ
ラーさんの自由なので、自分が気に入った作り方で製作していただければそれでよいのでは、と思います。


以上、星野のひとでした。
                                            (H19.2.24 )

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