星野塾


                                                        



 あなたが模型に使う材料や道具は模型店だけに置いてある、とは限りません。これは、プロ、アマチュアを問わず、先
輩モデラーの皆さんが模型工作技術の向上を目指して試行錯誤を繰り返してきた結果、模型以外の分野からさまざまな技
術が転用されてきたことも関係しています。最近では驚くほど多くのマテリアルや工具が模型店に並べられていますが、
それらを扱っている専門店を調べることで、より使いやすいものや、自分の目的にあったものを見つけ出せることもあり
ます。それに地方の模型店の場合は、首都圏の模型店では当たり前に並べられているものが入手できない、ということが
往々にしてあるのですが、ほかの業種の店を探してみると同じものや代用品として使えるものが置いてあったりするので
す。「模型の材料だから模型店にあるものを使わなければならない」ことは全くないワケですし、「本来模型以外の用途
に使われるものを模型用に転用」してもかまわないのですから、ここはひとつアタマを柔らかくしていろいろな店をのぞ
いてみましょう。以下、私の経験から「星野はこれをいつもココで買っている」「こんな業種の店にはこんなモノがある」
というのを列記してみます。

○自動車用品店
ポリパテ:以前も書きましたが、もともと自動車板金用のものなので、当然ココにもあります。大きな缶入りも売って
いたりします。メーカーによっては硬化すると非常に硬くなって削るのがたいへんなものもありますので、自動車用のポ
リパテを模型に使用する場合は、まずは容量の少ないものを購入して使い勝手を試してみるのが良いでしょう。

自動車用サーフェイサー:実は模型店にあるレジン用のサーフェイサーはもともとこれを転用したものです。私は現在
もこちらで売っているソフト99のプラサフを愛用しています。ガレージキットのウレタンパーツには相性バッチリです
が、自動車用なので含まれているシンナーが強く、ポリスチレン(PS)を溶かすのでプラモのパーツには不向きです。

カッティングシート:裏面に糊の付いた色つきの薄いシート。デザインナイフなどで好きな形に切り出して使います。
模型に使用する人はあまりいないようですが、私はロボットの角型インテークやノズル内部を黒ベタ塗装する代わりに、
黒のシートにつや消しクリアーのスプレーを吹いたものを小さく切り出して貼っています。クリアーオレンジやクリアー
グリーンのものはロボットのセンサーにも使えます。自動車用品店ではロールの状態で置いてあり、10cm単位の切り
売りで販売しているところが多いようです。チョット高いですが、カーボン柄や大理石柄なんていうのもありますから、
飾り台に貼って使用してみるのもよいでしょう。

エポパテ等、各種パテ:これらは模型専用のものがやはり模型には向いているのですが、透明なパテなど、模型店には
ないモノがあったりしますので、この手の造形材料に興味のある方はちょっとのぞいてみてもいいかも。


○ホームセンター(DIYショップ)
耐水ペーパー:これも模型用のものが模型には使いやすいのですが、大量に使用する場合はこちらで購入するのも手で
す。ただし、メーカーによっては値段は安いが粒子だけがボロボロ落ちて使い物にならない粗悪品もあります。最初に
1枚だけ買ってテストしてみることをおススメします。

工具類、各種接着剤:ホームセンターの最も得意な分野のひとつといってもいいでしょう。例えばピンバイス(ドリル)
の刃などが模型店で手に入らないときはこちらを探してみるとよいと思います。さまざまな種類の工具や接着剤が置いて
ありますし、時々特売があったりするのも魅力です。

各種工作材料:木材、アクリル材、エンビ板、細い金属棒やパイプ(真鍮、アルミ等)金属板、ゴム板、スチレンボー
ド、小さいボルトやナット、電気コード…。このような素材関係もホームセンターで見つけることができます。

つまようじ、綿棒:私はこれがないと模型が作れません。つまようじはちょっとしたアール部分にペーパーをかけると
きの当て物になったり、パテを混ぜたり、塗料を攪拌したり。綿棒はスミ入れやウォッシング塗装時には必要不可欠です。
普通のものより細い赤ちゃん用の綿棒が使いやすかったりします。

カベ補修材:水を加えて練ってカベの穴やスキマを埋めるものです。模型ではディオラマで地面を作るときに使われま
す。私はミラコンを使用することが多いですね。

○画材店
ペトロール:ペテロールという人もいます。本来は油絵の具用のうすめ液。エナメルシン
ナーの代わりにコレを使うと、スミ入れ時にポリスチレンパーツが割れを起こす確率が少
なくなることが経験上知られています。ただし、絶対に割れないわけではないので過信は
禁物。

パステル:右の画像下のスティック状のもの。AFVの人がよくドライブラシ用に使いま
す。さまざまな色がありますので、キャラクターメカ物に使う場合は茶系砂系の色でなく
てもよいかも。耐水ペーパーで削って粉にして、筆の穂先に粉を付けてドライブラシしま
す。そのままではさわると落ちてしまいますから、あとでクリアー(普通はつや消し)を
吹いて定着させます。


面相筆:私はモデラーでもある某デザイナーの大先生に勧められた日本画用の筆を愛用しています。ちょっと高いのです
が、穂先のまとまりが良くたいへん重宝しています。筆塗装がある程度上達したら試してみてもよいかも。

エアブラシ(の部品):模型関連メーカーの製品でないものは模型店よりも画材店をあたってみるとよいでしょう。特に
地方の場合、エアブラシ関係を得意とする画材店を知っていると、メンテナンスで部品を取り寄せるときにたいへん心強い
です。(体験談ですが、取り寄せに1ヶ月かかっていた同じ消耗部品が別の店では3日で届いた、なんてことも…。)

エヴァグリーン社のプラ材:建築模型の材料が置いてある画材店で取り扱っていることがあります。

○釣具店
おもり:板オモリはハサミで切ることができます。ベルトにしたり、使い込んだ装
甲板を表現したりとさまざまに使えます。ロボットの足首の中に入れてポーズを安
定させるなんて使い方もアリ。ただし、釣り用のおもりの材料である鉛は体内に入
ると有害な金属なので、舐めたり口に入れたりしない、作業後はよく手を洗う等、
取り扱いには注意してください。


浮き:丸浮きは球形のパーツを作るときなどに使えます。棒浮きはプロペラントタンクになりそう。

○手芸店
プラーク:模型の世界では「デコパージュの板」と言ったほうが通りがよ
いかも。完成品を載せておく飾り台やディオラマのベース板として使用さ
れます。透明や茶系のニスを塗ってやると見栄えがグンとよくなります。
「ペーパーがけをして表面を平滑にする→ニスを塗る」という作業を何度
か繰り返してやるとより美しく仕上げることができます。 


アクセサリー用の金属部品(チェーン等):ガ○ダムハンマーに使用(笑)。いや、他にも流用できると思いますが。
動力パイプに使えそうな形のチェーンとかもあったりします。


 特にホームセンターは日頃からどんなものが置いてあるのかよくチェックしておくと、間違いなく自分の工作技術の幅
が広がると思います。手芸店はなかなかオモシロイ素材がたくさんあったりしますが、男の子がひとりで入るのにはちょ
っと勇気(開き直り、とも言う)が必要(笑)。ご近所に「東急ハ○ズ」とかがある人は、今回紹介したモノは(それ以
上のもっと便利なモノも)大抵がその1店で揃ってしまいますから、労せずして各種マテリアルを入手できるでしょう。
地方在住モデラーから見れば非常にウラヤマシい状況です。十二分に活用してください。


 最後にお礼を一言。前回、前々回も含めて、模型店の売り上げに全くプラスにならないネタの掲載を許可してくださっ
た「キャラSHOPくっちゃね」様に感謝です。でも、ネットショップもあるし、「くっちゃね」にあるものはココで買
おーね。佐トちゃん、宣伝これでいいスか?

補足:先日、「安価なアクセサリー類に鉛害の恐れがあるものがある」という報道がなされたのは皆さんもご存知
のことと思います。模型の場合、鉛に限らず化学合成材料など、体内に入ると有害であろう材質を使うことが多い
ので、特定の材質だけについて「これはダメ!」とナーバスに警戒するのではなく、「舐めない」「口に入れない」
「作業後は手を洗う」「カブれる恐れのあるものを使うときは手袋をはめる」「有機溶剤を含むものを使うときは
換気を良くする」「削りカスを吸い込まないような対策をする」「小さな子供の手の届かないところに保管する」
等、各種素材に対するごく当たり前の基本的な扱い方、管理の仕方を常に心掛けることが一番大切だと感じます。
                                            (H18.3.23)